「ありがとう、さよなら」という子どもの歌がある。考えてみれば、子どもたちは幼いころから進学や進級の度にエリアが変わり、周囲の友だちとの出会いと別れをくり返しているのだ。
 だからこの小さなアトリエで、ずっと同じ先生がいて、何人かの親しい顔ぶれがあることは安心なことなのだろう。
 今日は、二つの「ありがとう、さよなら」。
 三年間書かせていただいていた、このエッセイが本日最終回を迎える。こんなに長く書かせてもらって、たくさんの方から応援や賛同、励ましをいただいたことに心より感謝したい。
 ここに登場していた実在の子どもたちは、今でも元気に、それぞれの道を進んでいるし、締め切りがあったおかげで書き続けた文章は、少し前の私の闘病エッセイと手をとり合って一冊の本にもなった。続けることの意味と続けさせていただいたありがたさで胸がいっぱいだ。
 そして、もう一つの「ありがとう、さよなら」は、今日がやまびこ館での個展最終日なのだ。県内外のとても多くの方々に足を運んでいただいている。
 作品と、がんばる私を見て下さるために、子どもも、おとなも、年老いた人も、元気な若者も、体の不自由な人も、静かな人も、にぎやかなグループも、みんなが一生の中の一日を使って下さることに、私は感動しながら、「よしっ、がんばろう」とまた何かを決意する。
 まだ人生が始まったばかりの子どもたちと、これからもずっとアトリエの世界を共にしてゆく者として、私が手さぐりで生きてきてやっと見つけた自分のテーマ、一つの真実を伝え続けてゆこうと思う。
 − 人は、心で生きている。 −
 長い間のご愛読ありがとうございました。 (おわり)